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たいらくなていたらく

頽落(たいらく)とは - 頽廃してしまった人間存在。堕落と言い換えてもよいだろう。ハイデガーの言葉。

あなたの運がどんどんよくなって、はじけ散って、幸も不幸もなくなりますように

わかり合えないから安心できることがある。わたしはわたしで、あいつはあいつ。それぞれ違う現実を生きてるから、かき氷の味すら同じのを選ばない。わたしはペパーミントチョコチップアイスが大嫌い。いくらでも文句を言える。けど、吉祥寺の駅前のサーティワンアイスクリームには他のドリーミィで魔法みたいなアイスと同じ仕方でどう考えてもくそまずいペパーミントチョコチップアイスも並んでる。

なんで。おかしい。生クリームで割った歯磨き粉にチョコレートの食べかすが組み込まれてる。トロールの胃の中みたい。それをアイスクリーム代わりに食べる人がいて、世界はわたしだけじゃないんだと思う。わたしひとりの世界じゃない。もしワタシ科ワタシ属ワタシナントカだけだったら、きっとバスロータリーは植物園になってるしハーモニカ横丁はもっと怪しい。

わたしは世界じゃないし、世界はわたしじゃない。どこかでつながって、一緒に生きてるけど。いつか地球に隕石が落下して重力のバランスが崩れてもわたしの責任じゃないし、夏はレモネードを飲んでたあの子は占いにハマってる。

わたしには疑う余地がある。ペパーミンントチョコチップがまずい現実を。それから、ペパーミントチョコチップがどうしてもラズベリーやキャラメルハニーより食べたくなるときのことを想像して、たまにはいいのかもなあとも思う。あの透きとおったピンクのくちびるの上で、ペパーミントアイスが溶け残ったら、それはきっと綺麗だろうなあ。わたしは、わたしの現実やあの子の現実を、疑ったままそっとしておく。正しいかもしれないし間違ってるかもしれないし、遠いかもしれないし近いかもしれないし、よくわからない混ぜこぜのアイスみたいになったまま、それらは、ある。

あの子は占いにはまった。ぜんぜん話が合わない。なんだか悲しかったし、前みたいに過ごしたかった。けど、頭突きで元に戻すことはできない。あの子はわたしじゃないから。わたしの望みは、あの子の望みじゃないから。

ただ、はやく爆発しないかなあ。

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いつかまた、あの子がわたしの(疑い深い)目を見たときには、きっと驚いた顔をするから、そのときまだ世界があるように、電車も街も動き続けるし、夜になったらビルは光って、朝になったら眠りにつく。そのたくさんの光の奥の小さな場所でわたしは明日も明後日もタイ料理を作る。今夜はパッタイ